【膣内フローラ改善】妊娠や更年期対策に必須。女性の自信と健康を取り戻すために。

膣内フローラのバランスは、女性の健康と美を保つ上での重要性が理解されつつあります。膣には多くの微生物が存在しており、これらの微生物群は「膣内フローラ」または「膣内マイクロバイオーム」とも呼ばれます。膣内フローラには善玉菌と悪玉菌のバランスが重要で、そのバランスが整っていると、女性の健康や美しさを内側からサポートしてくれます。逆にバランスが崩れると、様々な不調や症状が現れます。本記事では、膣内フローラの重要性について解説し、美しさと健康を手に入れるための膣内フローラ改善法をお伝えします。

膣内フローラバランスの崩れが及ぼす影響とは？

膣内の細菌バランスは、女性の健康にとって非常に大切です。このバランスが崩れると、かゆみやおりものの異変、強い臭いなどの不快な症状が現れ、その原因としては、環境の変化、抗生物質の使用、ホルモンの変動や加齢が挙げられます。また、このバランスが乱れると、細菌感染、カンジタ感染症、膀胱炎のリスクも高まる可能性があります。

かゆみ、発疹、オリモノの異変や臭いなどの不快な症状は、日常生活に影響を与えるだけでなく、女性のメンタルヘルスや自信にも悪影響を及ぼすことがあるので、膣内の健康を維持するための正しい知識とケアが大切です。実際、多くの女性は膣内の細菌バランスの乱れに悩んでおり、一度乱れると再発しやすいとも言われています。さらに、このバランスの乱れが他の婦人科疾患のリスクを上げる可能性もあるとの研究結果も出ています。そのため、腸内フローラと同じく、膣内の細菌バランスを保つことが女性の健康維持には必要です。

膣内フローラが影響を与える疾患

膣内フローラの変化は、月経困難、不妊、卵巣の疾患においても関係性が確認されています。その他の婦人科疾患や泌尿生殖器疾患にも、細菌性膣症や膣内フローラの悪化が関連しています。

膣内フローラの乱れは、女性の健康に関する様々な課題と関連しています。細菌性膣症、カンジタ膣炎、外陰膣カンジダ症は最も明白な例ですが、膣内フローラの変化は、不妊症、子宮内膜症、卵管炎、パピローマウイルスやHIV感染のリスク、尿路感染症、膀胱炎、早産、不妊、体外受精の失敗、子宮頸部異形成、子宮頸がんなどとも関連しています。

膣内フローラの働き

研究によると、健康な膣内フローラには、乳酸菌（ラクトバチルス・クリスパタス、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ジェンセニ）が多く存在しています。これらの乳酸菌は、乳酸と過酸化水素を産生して、膣内のpHを3.5～4.5の酸性に保ち、不要な細菌の繁殖を防ぐのに役立ちます。過酸化水素は、ほとんどの悪玉菌やカンジタ菌を除菌してくれる物質です。また、ある種の乳酸菌は膣粘膜と付着することで、有害な細菌が付着するのを予防してくれます。また、カンジタ菌などの悪玉菌を標的にする化学物質を産生して、悪玉菌が繁殖しにくい環境づくりもしてくれます。

整腸作用で有名なビフィズス菌も、膣内フローラにとって重要な菌の一つで、ビフィズス菌は膣粘膜の成長回復をサポートし、膣粘膜の治癒を促進するのに役立ちます。ビフィズス菌の特定種は乳酸菌と同様に、過酸化水素の産生を助け、膣内フローラのバランス維持に役立つことも示されています。

乳酸菌が減少し乳酸および過酸化水素の生産が減少すると、膣内フローラに異常が生じることが研究で確認されています。ラクトバチルス.クリスパタス、ラクトバチルス.ガセリ、ラクトバチルス.ジェンセニ、ラクトバチルス.ロイテリ、およびビフィズス菌の特定種が減少してしまうと、膣内フローラを悪化させるリスクは大幅に高まります。

また悪玉菌優位の膣内フローラは、ラクトバチルスを阻害する細菌の増殖とバイオフィルムの形成をもたらし、悪玉菌の生存率と女性の免疫力に対する抵抗力が強化されてしまいます。さらに、有害なウイルスの生育を促進し、健康的な乳酸菌の増殖に必要な栄養素を横取りしていまい、健康な腸内フローラの成長をブロックしてしまいます。

細菌性膣症：

このように、非常に大切な膣内フローラですが、乳酸菌優位の膣内フローラが嫌気性細菌（悪玉菌）に置き換わることで細菌性膣症と呼ばれる疾患が生じます。細菌性膣症は、出産適齢期に最も多くみられる女性器の疾患です。

嫌気性菌の増加は、pHの上昇、悪臭を放つオリモノの原因となる特定物質の産生が増加、悪玉菌の代謝副産物による膣粘膜の脱落によるオリモノの増加を引き起こします。

アメリカでは、14〜49歳の女性の細菌性膣症の罹患率は29％と高く、その大半が無症状であることから細菌性膣症に感染していることに気が付かなく、一旦悪化すると再発を繰り返します。そして細菌性膣症はオリモノの異常、臭い、かゆみ、刺激感などの不快感をもたらすことから、女性が婦人科を受診する原因の一位にもランクインしています。

細菌性膣症によって起きるリスク

細菌性膣症は、悪化すると骨盤内炎症性疾患の原因にもなってしまいます。 細菌性膣症は、妊娠合併症の原因となるB群連鎖球菌感染症に罹るリスクも高めてしまします。

また、流産、絨毛膜羊膜炎、早産、前期破水、は細菌性膣症との関連が強く影響しているとされています。そして細菌性膣症が原因で出産が予定より早まり、早産となってしまうと、未熟児は呼吸困難や脳室内出血を起こしやすく、成人になってからの病気のリスクを高めてしまうことから、膣内フローラを健全に保つ事は健康な妊娠と出産に重要なこと言えます。

最近の研究では、乳酸菌の減少やガードネラ菌やプレボテラ菌の過剰増殖も、不妊治療の成功率を下げる可能性があることが示されました。体外受精を受けた130人の女性を対象とした研究によると、膣内フローラに異常があった人のうち妊娠したのはわずか9％であったのに対し、膣内フローラが正常であった人の妊娠率成功率は、35％でした。他の研究では、着床不全を繰り返した女性45％の膣内フローラに乳酸菌が不足していることが確認されました。

抗生物質治療の限界：

細菌性膣症に対する抗生物質による治療は、短期的には効果的ですが、50％以上が再発することから、抗生物質単体での治療では十分ではありません。また無症状の細菌性膣症の妊婦を対象にした研究では、抗生物質を2回投与したところ、約80％の細菌性膣症が改善したにも関わらず、妊娠期間中の入院、早産、出産後の感染症を減少させるには、効果的な方法ではありませんでした。これらの研究結果によると、抗生物質による治療では、保護的な膣内フローラを増やし、善玉菌を定着させることができないことが示されています。

あなたの膣内フローラは多様性？少数派？

細菌性膣症の女性と健康な女性を比較した臨床研究では、健康な女性では、膣内フローラの83％から100％の菌が乳酸菌（ラクトバチルス菌）と確認されました。さらに、これら健康な女性のサンプルには、1人当たり1～6菌種（平均3.3菌種）の少種の膣内フローラが含まれていた。これは細菌性膣症患者とは対照的で、1人当たり9～17（平均12.6）菌種が確認され、多くの菌種は細菌性膣症患者でのみ確認されたことから、膣内フローラは少種精鋭が重要で多種多様なフローラは逆に不健康であることを示唆しています。

膣内フローラに影響を与える物

膣内フローラは、思春期前から閉経後まで、女性の人生の各段階におけるホルモンの変化によって大きく変化していきます。各女性はそれぞれ独自の膣内フローラを持っており、それは時間の経過とともに変動し、食事、生活習慣、ホルモン、遺伝、年齢の影響を受けます。

膣と腸の微生物には、それぞれ独自のマイクロバイオームがあります。 両者の主な違いの一つは、腸内ではマイクロバイオームの多様性が高いことは健康の証であるのに対し、膣内では不健康であるこです。腸内フローラと膣内フローラは別々ではありますが、腸内フローラは膣内フローラに大きな影響を与えています。経口摂取された特定の乳酸菌株は、直腸から膣内に移行します。ですから、不健康な腸内フローラは膣内フローラにも影響を与えます。

美しさと健康を手に入れるための膣内フローラ改善法

特定のプロバイオティクスが、膣内での善玉菌再増殖とフローラバランスをサポートすることが研究では確認されています。乳酸菌の特定の菌株は、pHバランスを最適化し健康的な膣内フローラの維持に役立ちます。これらの特別な菌株を摂ることが、膣の健康をサポートするのには効果的です。

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細菌性膣症と診断された女性36人を対象に、ラクトバチルス・クリスパタス、ラムノサス、ガセリ、ジェンセニ各10億CFUを含むヨーグルト飲料の有効性が検討された研究では。治療群の女性はヨーグルトドリンクを1日2回、4週間摂取しました。試験終了時には、治療群の100％が細菌性膣症を治癒したのに対し、偽薬群では65％でした。

別の臨床試験では、乳酸菌含有のプロバイオティクスによる細菌性膣症への有効性がテストされ、ラクトバチルス.アシドフィルス菌とラクトバチルス.ラムノサス菌を含む乳酸菌のプロバイオティクスを6週間毎日摂取した結論として、膣内フローラの改善が見られました。

さらに、ラクトバチルス・ラムノサス菌を含むプロバイオティクスの経口投与は、健康的なラクトバチルス.クリスパタス、ラクトバチルス.ジェンセニ菌を膣内フローラに増殖することに役立つことが研究では確認されています。

これら乳酸菌の特定株を用いた研究では、一部の乳酸菌株がデリケートゾーン特定のウイルス感染症に対して免疫力をサポートする可能性も示唆されています。

実践！日常生活でできる膣内フローラの維持テクニック

通常、食事が膣内フローラに与える影響は、腸内マイクロバイオームに与える影響よりも小さいと考えられていましたが、食物繊維が多く、糖質が低く、低脂肪で、ビタミンやミネラルの豊富な食事は、細菌性膣症のリスクが低いという研究結果があります。

他の研究では、ベタイン（植物、海産物などに含まれるアミノ酸系物質）、葉酸、ビタミンA、カルシウムが豊富な食事は、細菌性膣症の重症度と逆相関の関係があること分かっています。

また、適切な水分摂取や、過度なストレスの回避、十分な睡眠も膣内フローラを維持していくには重要です。これらの簡単なテクニックを日常生活に取り入れ、膣内フローラのバランスを保ちましょう。

「まとめ」女性特有の悩みは膣内フローラのバランスを整えることが解決のカギ。

膣内フローラのバランスは、女性の健康において極めて重要で、特に乳酸菌のバランスがキーとなります。そして腟内フローラバランスを整えることが、多くの女性が自信と健康を取り戻し、より充実したフェミニンライフを送ることにつながります。適切な乳酸菌の補給や食生活の改善により、膣マイクロバイオームを健康に保つことを心がけてください。

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<参照＞ https://www.dynamed.com/approach-to/vulvovaginitis-approach-to-the-patient#GUID-3B8CED52-FF82-41C9-AB7E-FEA5EB7A347F,Nutrients. 2023 Apr 13;15(8):1862. doi: 10.3390/nu15081862.Lactobacillus Probiotics Improve Vaginal Dysbiosis in Asymptomatic Women Am J Obstet Gynecol . 2003 Oct;189(4):1202-8. doi: 10.1067/s0002-9378(03)00495-2. The potential for probiotics to prevent bacterial vaginosis and preterm labor Benef Microbes . 2018 Jan 29;9(1):35-50. doi: 10.3920/BM2017.0018. Epub 2017 Oct 25. Effect of a yoghurt drink containing Lactobacillus strains on bacterial vaginosis in women – a double-blind, randomised, controlled clinical pilot trial Benef Microbes . 2019 May 28;10(5):483-496. doi: 10.3920/BM2018.0129. Epub 2019 Apr 23. Impact of oral administration of four Lactobacillus strains on Nugent score – systematic review and meta-analysis Smith S and Ravel J, JPhysiol.2017; Manor O, et al.Nat Commun.2020 Amabebe E and Anumba D, Front. Med. 2018 Thoma, ME, et al.J Nutr. 2011 Tudden. ham S, et al,Reprod Health. 2019 Neggers Y H, et al.J Nutr. 2007 ACOG Practice Bulletin No.215,Obstet Gynecol, 2020 Yudin MH, Money DM.J Obstet Gynaecol Can. 2008 Haahr T, et al.Hum Reprod. Kadogami D, et al.J Rep Bio. 2020 Brad- shaw CS, et al.J Infect Dis. 2006 Bradshaw CS, Sobel JD.J Infect Dis.2016 Carey JC, et al.N Engl J Med. 2000