～「もう限界かも！」長時間労働から来る身体と心の悲鳴を無視しないで～

残業が続くと辛いですよね。睡眠不足になったり、毎日が楽しくなくなったり、日常の生活に影響が出てきます。「過労死」とは恐ろしい言葉ですが、英語でもそのまま”Karoshi”と呼ばれており、死に至らなくとも働き過ぎにより健康を損なうのはアメリカでも同じです。

毎日無理を重ね、神経をすり減らすような生活が続くと色々な支障が出てくるので、身体も心もケアがとても必要になってきます。

長時間労働は身体と心にどんな影響を及ぼすのでしょうか？

♦　睡眠不足と職場での事故

仕事が長時間に及べば、睡眠時間が少なくなってしまいます。日本の中小企業のデータによると、職場における事故や怪我は1日に8時間以上勤務している職員に多く起こるそうです。アメリカでの調査でも、労働時間が長い人ほど、そして睡眠時間が短い人ほど職場で怪我をする確率が高くなっています。

♦　不安症やうつ病
不安症やうつ病も労働時間と関係があるようです。週に55時間以上働く人は、週に35~40時間働く人に比べて不安症になる確率は1.74倍、うつ病は1.66倍で男性より女性に多いという研究結果があります。別の研究でも１日に11時間以上働く事が長く続くと、他に心理的な要因がなくても、重篤なうつ状態になるリスクが高いと言われています。また長時間労働は離婚率も高くなるようです。

♦　認知能力の低下
イギリスで公務員に対して行われた研究があります。最初にテストをしてから5年後に再度テストを行った結果、週に40時間以内の労働者と比べて、週に55時間以上働く労働者の語彙力は低く、流動性知能（短期記憶、抽象的思考、問題解決、創造性など）のテストも大きく下回っていました。この結果により研究者は、長時間労働は晩年に認知症を引き起こす要因になるという仮説を立てたそうですが、少なくとも労働時間の長さによって認知能力も影響を受けるようです。

♦　食事がおろそかに⇒冠動脈性心臓病

労働時間が長く睡眠時間が短いとなれば食べる物もおろそかになりがちです。女性は簡単にサラダやフルーツで済ます人も多いようですが、対してコンビニ弁当やインスタント食品が増える傾向は男性の方が高いと言われています。週に51時間以上働く人は更に心の健康やレジャーなどの楽しみもないがしろになり、睡眠不足、喫煙、仕事への不満を抱えるという問題も見られます。運動もしない方が多いようで、そういった要因から長時間労働をする人には冠動脈性心臓病になるリスクが高くなるのです。週に60時間～70時間働く人は、それより短い時間を働いている人に比べ冠動脈性心臓病になるリスクが63%増え、週に80時間を超えるとリスクは94%になるという研究結果があります。まさに過労死の大きな原因と言えるでしょう。

解決法はあるの？

残業が多いからといってもすぐに会社を辞める訳には行かないかもしれません。しかし「辛い」「きつい」という身体と心の声をちゃんと聞いてあげましょう。今、会社を辞める事ができないのであれば、何に気をつければ良いのでしょうか？先ず一歩を踏み出して、少しずつでも時間を作って行ってみましょう。そして最悪の状態にならないように気をつけてくださいね。

♦　運動

忙しくても、いえ忙しいからこそ、運動は身体にも心にも効果的といえます。ただ、無理をせず自分のペースでストレッチやヨガをしたり、歩く、走る、縄跳びなど、気軽にできる運動は気分転換にもなりリフレッシュできるでしょう。

♦　何か違う事をしてみる。
日常とは少し違う事をすると脳の刺激にもなるようです。バケーションに行けなくても、仕事へ行く道を変えてみる、となり町を散歩する、気になっていたお店に行く、粘土細工をしてみる、絵を描いてみるなど、毎日同じの生活から少し抜け出してみましょう。

♦　ストレス発散
身体を動かす事もストレス発散になりますが、その他ご自分の好きなこと、カラオケに行ったり、特別な料理を作ってみたり、趣味の時間を大切にするのも良いでしょう。また、入浴時にお気に入りの精油を足してバスタイムを充実させる事でも疲れが取れ、良い睡眠につながりますよ。

♦　家族や友人とのふれあい
仕事が忙しくなると、家族や友人との時間も少なくなってしまいます。一緒にご飯を食べたり、家族や古い友人に電話をかけて暖かい声を聞くのもきっと心が和むでしょう。

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