基礎代謝を高めるダイエット法とは｜基礎知識から解説

多くの人が経験するダイエットの悩み。これまで星の数ほどのダイエットトレンドが登場しては消えていきました。そのような中、近年のダイエットトレンドに頻繁に登場するキーワードが「代謝」。「代謝を上げて脂肪を燃やそう」といった文言をよく見聞きしますね。でも、「代謝」とは一体どういうものなのでしょう？

代謝 (metabolism)とは

英語のメタボリズム（代謝）という言葉は、ギリシャ語で「変化」を意味する “metabolē” に由来します。その言葉通り、代謝とは、食事で取り入れられた栄養素が分解や合成され、生きるためのエネルギーに「変換」される化学反応のことです。

代謝には3つあります。

■ 基礎代謝（Basal Metabolism）： 何もせず安静にしているときでも、呼吸、体温維持、臓器の動きなど、生きるために体内で行われている活動で消費するエネルギー。
■ 活動（Activity）： 運動や家事など、日常の様々な動作で消費するエネルギー。
■ 熱産生(Thermogenesis): 食べたものを消化するために消費するエネルギー。熱を伴う。

この3つのうち、1日のエネルギー総消費量の60〜80％を占めるのが基礎代謝です。基礎代謝量（＝エネルギー消費量）は年齢、性別、体型、生活環境、遺伝的要素などにより個人差があります。

基礎代謝を高めるメリット

代謝が正常に行われているという事は、体がアクティブに活動していて、ちゃんと機能するという事。例えば、必要なカロリーを脳がちゃんと計算してくれるので、食べ過ぎる事はなく、また食後はちゃんとカロリーを燃やしてくれますから、肥満にはなりづらくなります。体を温めて血流を良くすると代謝も上がり、便秘も改善。正常なお通じは体から老廃物を排出しますから、お肌や髪のハリやつやも取り戻すなどの美容効果も期待できます。体温が上がればリンパ球の働きもアクティブになり、免疫力はアップし、風邪や病気にもなりにくい体になるでしょう。また肩こりや緊張型の頭痛の改善や予防にも繋がります。血流が活発になれば、冷えも感じにくく、冷え性にの方にとってもメリットとなります。
代謝を高めるという事は、総合して簡単にいうと、「体の外側も内側も元気にヘルシーになる」事なのです。痩せたい、便秘を解消したい、お肌につやを取り戻したいという方は、下手なダイエット法や便秘薬、高い化粧品を使う代わりに積極的に代謝を上げる習慣を身に付けた方が、早く願いがかないそうです。

加齢による「痩せにくさ」のメカニズム

加齢により筋肉が減少すると、基礎代謝量（＝エネルギー消費量）も低下していきます。若い頃と同じような食習慣・生活習慣を続けていると、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回るため、痩せにくい、或いは太りやすい体質になってしまうのです。このような状態を回避するためには、基礎代謝を上げる（又は下げない）必要があります。

「基礎代謝を上げてダイエット」は幻想？

確かに基礎代謝を上げれば、消費エネルギー量は増加します。しかし、ダイエット効果としては過度に期待できるものではありません。減量目的であれば、代謝・運動・食事内容（摂取カロリー）を総合的に取り入れるのがよいでしょう。とはいえ、代謝を上げることは、体内細胞や機能の活動にとって大きな助けになります。元気で健康な生活を送るためにも、代謝アップを意識することは大切なのです。

代謝アップのためにできること

♦ 筋トレで筋肉量を増やす
筋肉量と基礎代謝量は比例します。筋肉量を増やすと基礎代謝量（消費エネルギー）が増えるため、太りにくい身体になります。週2〜3回筋トレをすることで、加齢による不可避な代謝低下の50% を取り戻すことができます。
♦ 水分をたっぷり摂る
脱水症状が代謝を低下させることは、複数の研究でも明らかになっています。体重の3%程度の水分を失うと、カロリー燃焼が2%減少するという報告もあります。つまり、運動やサウナで汗をかくだけでは代謝が落ちるだけで、エネルギー消費にはつながらないのです。

240ml（8オンス）のコップで、1日8杯〜12杯の水を摂ることが推奨されています。しかし、個々人の必要水分量は、活動量や体型などによっても異なります。十分な水分補給ができているか否か簡単に確認する方法、 それは尿の色をチェックすることです。藁のような薄い色であれば十分な水分補給ができているというサイン。逆に色が濃いようであれば、もっと水分を摂取してください。

♦ 緑茶
緑茶に多く含まれるカテキンは、強い抗酸化力だけでなく、熱産生を促す働きをします。緑茶なら、水分補給と脂肪燃焼のタブル効果が期待できます。

♦ オメガ3不飽和脂肪酸
血液サラサラ（抗血栓）作用や抗炎症作用でおなじみのオメガ3不飽和脂肪酸は、代謝を上げる効果も期待できます。また、オメガ3不飽和脂肪酸にはレプチン抵抗性（※）を軽減する働きがあるので、肥満の予防や改善にも有効です。オメガ3不飽和脂肪酸は鮭や鯖など脂肪の多い魚、亜麻仁油、くるみをはじめとするナッツ類などに多く含まれています。

■オメガ３ DHA, EPA オメガ3 DHA,EPAは通常細胞膜に貯蔵されていますが、必要な時に放出され、炎症を防ぎ、血小板の凝集を不活性化する、コレステロールの体内での生産を低下させるなどの働きがあることから心臓病の予防に重要な栄養素です。皮膚炎（湿疹、乾癬）、リューマチ、糖尿病による神経障害、腸炎、動脈硬化、喘息、アレルギーなど炎症全般の治療にも有効です。 https://drsuppleusa.com/?pid=134504156

（※）レプチンとは食欲を抑制し、代謝を活性化させる機能を持つ別名「痩せホルモン」。ところがレプチン抵抗性という状態では、過食を抑制すべき脳の仕組みが損なわれ、食欲過剰と肥満を引き起こします。

♦ オーガニック食品

農薬に含まれる有害物質が体内に入り続けると、代謝を活性化する甲状腺ホルモンを産生・分泌する甲状腺やエネルギーを作り出すミトコンドリアなどがダメージを受けてしまいます。健康的な代謝のためにも、オーガニック食品を摂るように心がけましょう。

♦ タンパク質
食事をすると、消化のために内蔵の動きが活発になり、エネルギーを消費します。これが熱産生と呼ばれる代謝です。タンパク質は脂肪や炭水化物に比べて消化に時間がかかるため、より多くのエネルギーが消費されます。

♦ 睡眠はしっかりと
睡眠不足は気分、集中力、そして代謝にも悪影響を及ぼします。質の悪い睡眠とBMI（肥満指数）の高さに関連があることは、数々の研究でも明らかになっています。

まとめ

ダイエットは誰もが抱えるテーマです。極端な食事制限や痩身薬は効果が早く現れるかもしれませんが、リバウンドや体調不良という大きな健康リスクを伴います。一方、代謝は急に上がるものではありませんが、最終的には太りにくい身体をつくり、体重管理に成功することができます。そして、ダイエットよりもさらに大切なこと – それは、代謝アップによって各細胞を活性化させ、健康に大きな恩恵をもたらしてくれます。
忙しい生活の中で代謝を上げるための完璧な栄養摂取は簡単ではありません。しかし、オメガ3、マルチビタミン＆ミネラル、或いはミトコンドリアの活性化をサポートするコエンザイムQ10など、代謝アップを応援してくれるサプリメントもあります。そのようなサプリメントも取り入れながら、気軽に、そして気長に代謝アアップに取り組んでみてくださいね。

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2020年10月1日、情報を追記しました。