【レーズン】 ～ 毎日食べたいスーパーフード ～

栄養がギュッと凝縮されたドライフルーツ。最も身近なドライフルーツといえばレーズンでしょう。そのまま食べてもよし、ナッツとの相性も抜群、パンやお菓子、お料理のアクセントとしてはもちろん、自家製酵母の培養にも使われるアレンジ自在な食材です。

その存在があまりにも身近すぎるせいか、それとも外見が地味なせいか、レーズンの栄養価や効能はスルーされがち。しかしレーズンは、自然が持つパワーと健康有益性がいっぱい詰まったスーパーフード。入手しやすく、お財布に優しいのも嬉しいですね。

レーズンの種類

今日流通しているレーズンの多くは、トンプソン・シードレスという種無しぶどうを原料としたもの。このトンプソン・シードレスをそのまま天日干しすることで、甘みが凝縮され、暗褐色になります。このレーズンは果実・皮をまるごと(whole)使い、太陽のパワー、そして生産地の乾燥した空気によって生み出される完璧なホールフードです。

一方、ゴールデンレーズンと呼ばれる黄金色のレーズンもあります。アメリカで生産されるゴールデンレーズンの多くは同じトンプソン・シードレスが原料。こちらは機械乾燥で、酸化と褐色化を防ぐために二酸化硫黄が使われます。

大きく甘味の強いマスカットレーズンや、小ぶりで酸味の強いカランツも人気の高いレーズンです。

どんな栄養があるの？

タンパク質、食物繊維に加え、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸、B6、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、亜鉛・・・　と、まるで食品成分表を縮図化したようなレーズン。カテキンやアントシアニンなどのポリフェノール成分も豊富です。一方、脂質は大変低く、グルテンフリー、コレステロールゼロです。どうです？素晴らしいでしょう？

また、レーズンの約65〜70%を占めているのがブドウ糖と果糖という2つの糖類。1/4カップのレーズン（40g） で120カロリー、糖質は26グラムです。

レーズンの効果・効能

♦ 食物繊維 / 消化機能の改善、心血管疾患の予防
生のぶどうと比べ、レーズンには4倍もの食物繊維が含まれています（100gあたりの食物繊維総量を比較した場合）。しかも、レーズンは水溶性・不溶性、両方の食物繊維を含むため、便通促進や腸内環境の最適化にはうってつけの食材。消化機能が改善することで食物の栄養が適切に吸収されるようになり、全身の健康につながります。さらに食物繊維にはコレステロール低下作用もあります。

♦ 貧血予防
レーズンはヘモグロビンの主材料である鉄を豊富に含む上、ヘモグロビン合成に不可欠な銅、赤血球生成をサポートする葉酸も有するので、貧血を予防できます。加えて、血行促進作用を持つナイアシンも含まれているため、体内の隅々に十分な酸素が行き渡り、臓器や細胞の健康、活力や治癒力アップに貢献します。

♦ 血圧を下げる効果
レーズンに含まれるカリウムには血管拡張作用があり、血管にかかるストレスやプレッシャーを軽減します。軽度の高血圧症を抱える人を対象に実施した研究によると、レーズン摂取を習慣化することで血圧の低下が認められました。血圧の正常化は、心血管疾患の予防につながります。

♦ 骨の健康に
レーズンには骨の材料になるカルシウムの他、マグネシウム、銅、リンなど、骨の形成に必要なミネラルが多く含まれています。また、他のドライフルーツ同様、レーズンにはカルシウムの排出を減らすボロン（ホウ素）という微量栄養素も含まれているので、骨粗しょう症の予防にも有効です。

♦ これは意外！虫歯や歯周病予防にも
レーズンといえば、キャンディのように甘く、少しベタつく食感・・・。虫歯の原因になりそうなものですが、意外なことに、レーズンはオーラルケアに取り入れるべき食品のひとつなのです。まず、カルシウムを始めとする豊富なミネラルが歯を強くします。また、レーズンに含まれるオレアノール酸というフィトケミカルには、虫歯や歯周病の原因となる細菌の繁殖を抑制する効果があります。

♦ 抗酸化作用 / アンチエイジングからガン・慢性疾患の予防まで
ビタミンC、ビタミンE、カテキンやアントシアニンなどのポリフェノールは、いずれも強い抗酸化力を持つ成分。酸化ストレスから細胞や組織を守ります。炎症の抑制、ガンや心血管疾患などの発症リスク軽減、お肌や髪の老化対策に期待できます。

♦ 男性のお悩みに
レーズンにはアルギニンというアミノ酸も含まれています。このアルギニンは成長ホルモンの分泌を促進するだけでなく、血管拡張作用による血行促進、そして勃起不全(ED)の改善にも良いとされます。またアルギニンには、精子の運動性を上げる効果も期待されます。

注意点

健康効果が高いといえ、レーズンはカロリーや糖分が高いので、食べ過ぎには注意しましょう。
二酸化硫黄で処理しているレーズンは、喘息やアレルギー症状を悪化させる可能性があります。