【白内障】日頃のケアが予防の鍵

歳を重ねると、次第に白髪やシミ、しわ、運動機能や内臓機能の衰えなど、様々な老化の兆しが現れ始めます。「老眼」は、目に起こる代表的な老化現象の一つですが、＜白内障＞も、加齢によりほぼ全ての人に訪れることから老化現象として知られています。しかし、白内障は決して放っておいてはいけない、早めの対処が肝心な目の疾患です。

白内障とは

目の「水晶体」が白濁して視力低下の原因となる目の疾患で、年齢とともに発症率が上がる極めて身近な疾患と言われています。カメラのレンズのような働きをする目の水晶体は、本来無色透明なのですが、老化が進むと、水晶体に存在する「クリスタリンタンパク」と呼ばれるタンパク質が白く変色し発症に至ります。糖尿病との合併症や他の疾患が原因で発症することもありますが、加齢によるものが最も多く、長寿国である日本でも、70代で約80パーセント、80代ではほぼ100パーセントに何らかの症状がみられることから、老化現象の一つとも考えられがちなのですが、進行度が増すと失明に繋がる場合もあり注意が必要です。

白内障の症状例

♦　視力低下

♦　視界がかすむ

♦　光が眩しく感じる

♦　昼と夜で見え方が違う　など

白内障の原因

♦　加齢

♦　紫外線への露出

♦　飲酒、喫煙

♦　糖尿病、甲状腺疾患など　

その他、溶接業や目の事故なども要因となる可能性があると言われています。

一般的な治療法

基本的には手術による治療が一般的ですが、早期に発見し、進行が遅く生活に支障がない場合は、目薬などで進行を遅らせる処置をとることもあります。

自然療法による予防対策

♦　ルテイン　

もともと目の水晶体や黄斑部に存在する強力な抗酸化成分で、加齢によって起こる老眼、白内障や黄斑変性症などの眼病対策に効果を発揮します。さらに、近年の研究で、PCや携帯電話による「ブルーライト」から目を保護する作用も明らかになっています。体内で生成されないため、食事やサプリメントでの摂取が必要です。ほうれん草やケール、かぼちゃ、ブロッコリー、卵黄、ブルーベリーなどに含まれています。

 

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♦　ゼアキサンチン

目の黄斑部に存在する強力な抗酸化成分で、ルテインと同様に白内障や黄斑変性症などの眼病の予防に効果が期待されています。パプリカやほうれん草、とうもろこし、マンゴーなどに含まれています。

♦　タウリン

疲れ目や紫外線によるダメージなどの改善に働きかけます。イカ、タコ、牡蠣などの魚介類に多く含まれています。

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♦　ブルーベリー

目の血行を強化し、活性酸素から目を守る抗酸化成分「プロアントシアニジン」を多く含んでいます。

♦　ビタミンA

目の網膜や粘膜を保護し、細胞の新陳代謝をサポートします。うなぎやレバー、人参、かぼちゃなどに多く含まれています。

♦　ビタミンC

水晶体の酸化を防いで目を保護します。アセロラ、キウイ、パプリカ、ブロッコリーなどに多く含まれています。ビタミンCは体内で合成できないため、食事やサプリメントなどで、こまめに摂取することが必要になります。　

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♦　ビタミンE

「若返りのビタミン」とも呼ばれ、血流改善作用で目の血行促進に働きかけ、疲れ目などの改善に作用します。うなぎやアボカド、かぼちゃ、アーモンドなどのナッツ類に多く含まれています。

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自然療法では、発症の予防や進行を遅らせるための生活習慣を提案し、生活の質を守るためのサポートを行います。

日常的な留意点

♦　過度な紫外線を避ける。

♦　喫煙や飲酒を控える。

♦　お菓子やジュースなどの糖分が多く含まれる食品や乳製品（乳製品は体内でガラクトースと呼ばれる糖分に変化し、必要以上に摂取すると水晶体に蓄積され、白内障の発症の原因にな　ると言われています）、加工食品等の過剰摂取を控える。

♦　緑黄色野菜（ほうれん草、ブロッコリー、ケールなど）や、オメガ３脂肪酸を含む食品（さば、いわし、くるみなど）をバランス良く取り入れた食習慣を心がける。

2008年に行われた約35000人の女性を対象にした調査で、ルテインやゼアキサンチンを多く含む緑黄色野菜を積極的に摂取した女性は、そうでない女性に比べて白内障にかかるリスクが18パーセント減少したと報告されています。

さらに、食事だけではなく十分な睡眠や規則正しい生活を心がけることも、酸化ストレスを減らし、目のみならず老化全般に対抗する良い習慣だと言えます。人間は、外から受ける情報の80パーセント以上を目から得ると言われており、この小さな臓器の役割は重大なのです。 白内障は、日頃の生活習慣を意識するなど予め対策を講じておくことが、発症予防や進行を遅らせるポイントだと言えます。今のうちから良い生活習慣を心がけ、人生を共に歩む大切な目に、出来るだけメスを入れることなく、健康に歳を重ねる意識を持つことが大切ですね。

Reference: Arch Ophthalmol . 2008 Mar;126(3):354-64. doi: 10.1001/archopht.126.3.354.