【サフラン】～元気カラーで心だけでなく身体もハッピーに～

パエリア（スペイン）、ブイヤベース（南仏）、クスクス（北アフリカ）、サフランライス（インド・中東）、ルッセカット（スウェーデン）… 。鮮やかな色彩のせいでしょうか、思い浮かべるだけでハッピーな気分にさせてくれるお料理ですね。その眩い黄金色、魅惑的な香りの源はサフラン！非常に高価なスパイスです。南ヨーロッパ〜西アジアを原産とするサフランは、スパイスとしてだけでなく、染料や薬として古くから珍重されてきました。

サフランが高価なわけ

クロッカス・サティヴス（別名サフラン・クロッカス/学名Crocus sativus L.）という球根植物。秋になると美しい紫色の花を咲かせます。私たちが一般的に「サフラン」と呼んでいるのは、この花の雌しべの、赤い柱頭部を乾燥させたもの。1つの花から採取できる柱頭部は3本。たった1グラムのサフランを得るには、100〜150個（あるいはそれ以上）の花が必要とされます。しかも、雌しべの摘み取りは全て手作業！限られた生産量、そして気の遠くなりそうな労力を考えれば、サフランの価格が高いのも頷けますね。

サフランに含まれる有効成分

カロテノイド、クロシン（黄色色素）、サフラナール（揮発性芳香物質）などの成分、そしてビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム、カリウム、鉄分等のビタミン＆ミネラル類が挙げられます。

サフランの効果・効能

ペルシャ伝統医学ではうつ病に用いられたというサフラン。インドのアーユルヴェーダでも去痰、ぜんそく改善、通経、鎮痛薬として使用されていました。古代エジプトやローマでは媚薬（催淫剤）として重宝され、初夜のベッドに撒かれたり、小袋に忍ばせたり・・・なんてこともあったそうです。

現在、サフランについては数々の研究が行われており、古くからの民間薬・療法の効果が実証されつつあります。

♦ 鬱や不安症の改善

サフランに含まれるサフラナールやクロシンには、ドーパミン、セロトニン（別名幸せホルモン）、ノルエピネフリンなどの神経伝達物質を調節し適切な状態にする働きがあり、鬱や不安症の症状を緩和させます。軽〜中程度のうつ病患者にサフランエキスを経口摂取させたところ、従来の抗うつ薬であるイミプラミンと同じような改善効果が得られたとの研究報告もあります。

♦ 記憶障害やアルツハイマー病の改善
ある研究で、クロシンには学習や記憶能力を向上させる働きがあり、記憶障害の改善に有効であることが示されています。認知症やアルツハイマー病の進行抑制や改善効果が期待されます。

♦ 鎮痛・鎮静作用

サフラナールには鎮静作用があります。この作用により、痛みの緩和、ストレスや不安の減少、睡眠の改善、そして心身をリラックスさせる効果が期待できます。

♦ 外用薬として
クロシンには抗炎症作用があります。そのため、サフランは体内の炎症にも有効ですが、外用薬として利用することも可能です。サフラン成分由来のサフランオイルやクリームを使ってマッサージすることで、スポーツによる怪我、関節炎、痛風、その他炎症を伴う痛みや症状を緩和します。また、サフランは抗酸化物質を多く含むので、傷跡やシミを薄くする効果も期待できます。

♦ 女性のお悩みに
サフラナールを含むサフランには鎮痙・鎮痛作用があり、PMSの症状を改善します。通経作用もあるので月経不順に対しても有効です。

♦ 男性のお悩みにも

かつて媚薬として重宝されたサフラン。これはクロシンがもつ催淫作用によるものです。このようにサフランには性ホルモンを刺激し、性欲を促す効果が期待できます。また、ある研究で勃起不全(ED)の男性20名にサフランエキスのカプセルを10日間服用させたところ、機能・持続性ともに改善がみられました。

♦ ガン予防
サフランにはカロテノイドを始めとする抗酸化物質が多く含まれています。抗酸化物質は健康な細胞をガン細胞に突然変異させるフリーラジカルを抑制するため、ガン予防効果が期待できます。

♦ 胃腸障害の改善
サフランは古くからの胃のむかつきやお腹のガス対するナチュラルレメディーとして利用されてきました。サフランの鎮静作用や抗炎症作用が痛みや炎症を抑制し、膨満感や胃けいれんなどの症状を穏やかに緩和します。

♦ 呼吸器系の健康に

サフランの去痰作用や抗炎症作用により、咳や風邪、さらには喘息の症状緩和に有効と考えられます。

使い方

スパイスとしては、サフランスレッド（糸のような形状の乾燥サフラン）やパウダーがあります。また、サプリメントでも摂取できます。

注意点

5g以上の過剰摂取は有害とされますが、通常お料理に含まれるサフランは微量ですので安心してお召し上がりいただけます。

サフランには通経作用があるため、妊娠中の摂取はお控えください。授乳中、または健康上のトラブルを抱える方は、予め医師にご相談ください。