【木耳】 ～食感だけでなく、栄養面でも満足させてくれるキノコ～

漢字で「木耳」と書く食べ物はなあに？
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答え：キクラゲ

中華料理には欠かせない食材で、和食にも食感や彩りのアクセントとして加えられることが多いキクラゲはキノコの一種。これまでキノコ各種の素晴らしい健康効果については当サイトでも度々取り上げてきましたが、キクラゲも例外ではありません。食感の面白さを楽しむだけではなく、健康向上のためにキクラゲを日常の食生活に取り入れてみませんか？

外見か食感か？

コリコリとした食感から、日本では「キクラゲ」という名で親しまれているこのキノコ。普段私たちが目にする乾燥キクラゲからは想像し難いですが、キクラゲの“自然のままの姿”は木から耳が生えている── そんな現代アートのよう。その見た目が、中国では「木耳」、英語で 「wood ear（木の耳）」と呼ばれる所以。植物分類学上キクラゲはAuricularia（和名キクラゲ属）に属しますが、この属名はラテン語で「耳の形をしたもの」を意味する “auriculāria” に由来します。世界的にはその姿形に因んだ名称の方が多数派のようですね。

主な栄養成分

タンパク質、食物繊維に加え、ビタミンB群（チアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、葉酸）、鉄、銅、カリウム、マグネシウム、マンガン、セレニウムなど、様々なビタミンやミネラルが含まれています。さらに、多糖類、ポリフェノール、テルペノイドなどのフィトケミカルも有しており、抗炎症作用や高い抗酸化力が期待できます。

キクラゲの効果・効能

♦ 食物繊維 / 消化機能の改善、心血管疾患や糖尿病の予防など。
乾燥キクラゲ1カップ(28g)に含まれる食物繊維は、なんと19.6グラム！日本人の食事摂取基準（2015年版）によると、1日あたりの食物繊維摂取目標量は、成人男性20グラム以上、成人女性18グラム以上とされていますから、乾燥キクラゲ1カップ分だけで1日に摂取すべき食物繊維を補うことができます。

食物繊維は便通を促して腸内環境を整えるほか、コレステロール低下作用、食後血糖値の上昇抑制効果もあるため、心血管疾患や糖尿病の予防にも有効です。

♦ コレステロール正常化 / 心血管疾患の予防
コレステロールを下げるのは食物繊維だけではありません。キクラゲに含まれる多糖類やセレニウムにもコレステロール値の正常化を促す働きがあります。モデルマウスを用いた研究では、キクラゲの抽出液によって、総コレステロール、悪玉(LDL)コレステロール、中性脂肪の低下が確認されました。また、キクラゲには血小板の凝集を抑制する働きがあり、血液の粘性を調整します。このように様々な成分がもたらす効果によって心血管系のストレスレベルを緩和し、心筋梗塞、動脈硬化、脳梗塞の予防につながります。

♦ 抗酸化作用 / ガンや慢性疾患の予防に

キクラゲには、抗酸化物質であるポリフェノール、体内で産生されたフリーラジカルを積極的に除去するセレニウム、抗酸化物質グルタチオンを再活性化させるリボフラビン（ビタミンB2）など、酸化ストレスから細胞や組織を守る成分が豊富に含まれています。ガンをはじめ様々な慢性疾患の発症リスクを軽減する効果が期待できます。

♦ 抗菌作用
試験管内試験により、キクラゲは大腸菌や黄色ブドウ球菌の増殖を阻止する効果を有することが確認されています。

♦ 貧血予防や血行促進

貧血予防・血行促進には是非キクラゲを！なぜなら、キクラゲにはヘモグロビンの主材料である鉄、その鉄の吸収をヘルプする銅、血行促進作用のあるナイアシン、血管拡張作用をもつカリウムが含まれています。血行が良くなると、体内の隅々に十分な酸素が行き渡るため、臓器や細胞の健康、育毛促進、活力や治癒力アップに貢献します。

使い方

キクラゲを原料としたサプリメント（パウダーやカプセル）もありますが、キクラゲの代名詞ともいえる“コリコリ食感”を楽しむには食材として使うのが一番！一般的に入手しやすいのは乾燥キクラゲ。さっと水洗いした後、たっぷりの水かぬるま湯で戻してから調理に使いましょう。

注意点

安全な食品とされていますが、食後にアレルギー反応や体調不良が出たら、速やかに中止し、医師に相談してください。また、キクラゲには血液凝固を遅くする作用もあるので、血をサラサラにするお薬を服用している方は、相互作用が懸念されるため、事前に医師にご相談ください。