【ルパン豆】 ～ キャッチーな名称とヘルシーさで注目の健康豆 ～

今や簡単に海外旅行ができる時代。そして、世界中の情報がオンタイムで入手できるインターネットという利器──。このように世界は狭くなっていますが、よく知られていない食材もまだまだ存在します。今回はそんな未知なる食材のひとつをご紹介します。その名もルパン豆！Lupin the Third〜♪ならぬ Lupin the Bean〜♫です。

ルパン豆 (lupin/lupini beans)

ピンク、紫、ブルー、オレンジなど、色鮮やかな花を咲かせることで、観賞用植物として人気があるルピナス。ルピナスと一言でいっても、その品種は200種類以上！南北アメリカや地中海沿岸など、世界中に広く分布しています。数あるルピナスの中で、数種の種子が「ルパン豆」として食用利用されています。その種とは、ルピナス・ムタビリス（学名Lupinus mutabilis）、白花ルピナス（学名Lupinus albus）、黄花ルピナス（学名Lupinus luteus）、青花ルピナス（学名Lupinus angustifolius）などです。

ルパン豆は平たくて、おはじきのような形状をしています。

ルパン豆をめぐる昔と今

ルピナス・ムタビリス種子は6000年以上も前からアンデス高地で、白花ルピナス種子は3000年以上前からエジプトやギリシャなど地中海沿岸で食用や生薬として使われてきました。

そんな古い歴史をもつルパン豆は、現在、ヘルスコンシャスな人の間でトレンド食材のひとつになっています。ルパン豆は“畑の肉”こと大豆にも劣らぬたんぱく質を含む一方、脂質や糖質が少ないのです。セレブの間で絶大な指示を得ているケトジェニック・ダイエット（糖質制限ダイエット）では基本的に小麦粉や豆類はNGですが、でんぷん含有量の少ないルパン豆とそれを原料とした粉は摂取OKとされています。

ルパン豆は乾燥豆だけでなく、スナックやピクルス（酢漬け）の形で販売されています。グルテンフリーであるルパン粉は小麦粉の代替品として利用されたり、焼き菓子やパスタなどの原材料に使われます。

主な栄養成分　

タンパク質、食物繊維、ビタミンA、ビタミンB1、葉酸、ビタミンC、マンガン、マグネシウム、鉄、銅、カルシウム、リン、亜鉛などを豊富に含みます。そしてアミノ酸！体内で作り出すことができない９種の必須アミノ酸をはじめ様々なアミノ酸も含まれています。さらに、フェノール類やフラボノイド類などの抗酸化物質も有します。

ルパン豆の効果・効能

♦ 豊富な食物繊維〜消化機能の改善、免疫力アップ、心血管疾患や糖尿病の予防など。

食物繊維は便通を促すほか、プレバイオティクス（善玉菌の餌）として腸内環境を整える働きがあります。免疫細胞のおよそ70%が腸内に存在しているため、良好な腸内環境＝免疫力アップにもなります。また消化機能が改善することで、食物の栄養が適切に吸収され、全身の健康につながります。さらに、食物繊維は、コレステロール低下作用、食後血糖値の上昇抑制効果もあるため、心血管疾患や糖尿病の予防にも有効です。

♦ 心血管へのメリット

ルパン豆にはアルギニンも豊富に含まれています。非必須アミノ酸のアルギニンは体内でも合成できますが、様々な働きを担うため、体内での生成量だけでは不足しがちです。アルギニンは成長ホルモンの分泌を促進したり、勃起不全(ED)の改善にも良いとされます。加えて、アルギニンは一酸化窒素(NO)の前駆体という重要な成分でもあります。NOは血管拡張作用があり、血管を柔らかくし、血流や血圧を改善します。このように心血管系のストレスレベルを緩和することで、心筋梗塞、動脈硬化、脳梗塞などの予防が可能です。

ルパン豆には少々のフィチン酸も含まれています。アテローム性動脈硬化症モデルマウスを用いた研究では、フィチン酸を含むルパン豆のタンパク質が大動脈の石灰化を減少させると報告されています。

♦ 貧血予防

ルパン豆にはヘモグロビンの主材料である鉄、鉄の吸収を助けるビタミンCが含まれています。

♦ 骨を丈夫に！

カルシウム、そしてカルシウムの吸収を助けるマグネシウムを始め、骨組織の生成や維持に不可欠なミネラルが多く含まれています。骨粗しょう症の予防にも有効です。

♦ 美肌・美髪効果

毛髪成分の80〜85%はたんぱく質。その大部分は18種類のアミノ酸で構成されるケラチンです。髪の健康を維持するためには、十分な量のたんぱく質を摂取する必要があります。加熱済みルパン豆100gには、25.8g ものたんぱく質が含まれています。

また、ルパン豆に含まれる抗酸化物質により、参加によるお肌の老化（シミやシワ）を防ぎます。

使い方

他のマメ科植物同様にアルカロイド含有量が高いルパン豆は毒性と強い苦味があります。乾燥豆を使う場合は、調理の前処理として浸漬とすすぎを繰り返し行う必要があります。

粉タイプのものは、小麦粉の代用品として、お菓子やお料理にご利用いただけます。

注意事項

ルピナス（種子：ルパン豆）と落花生（種子：ピーナッツ）は同じマメ科の植物です。ピーナッツアレルギーをお持ちの方は、ルパン豆でもアレルギー反応が出ることがありますので、お気をつけください。　

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