爪が弱い、二枚爪になってしまう！原因と対策を解説

二枚爪とは、爪表面の先端が薄く剥がれた状態。そのまま放置してしまうと、剥がれ範囲が広がったり、ひび割れてしまうことも！今回は、二枚爪が起きる原因と爪の健康のためにできるセルフケアについて解説します。　

爪とは？　

今や爪はヘアメイクやファッションと同じく、「見せる」「おしゃれを楽しむ」ためのパーツ。しかし爪には本来、指先の保護や小さな物を掴む際に指の支えとなる役割があります。足の爪は身体を支え、歩行時には指先に力を入れる働きを担っています。

爪といっても、解剖学的には爪先、爪甲、爪床、爪半月、爪根、爪母、爪溝、爪上皮、爪下皮・・・等々、多くの部位から構成されています。私たちが普段「爪」と呼んでいるのは、爪甲（ネイルプレート）という部位です。

爪の構造

爪の主成分はケラチンという線維状タンパク質。爪は3層構造になっており、上から背爪、中爪、腹爪と呼ばれます。背爪と腹爪はケラチンが縦方向に、中爪はケラチンが横方向に走っています。この「縦・横・縦」構造のおかげで、爪は硬度と柔軟性を備えています。

二枚爪の症状

二枚爪は、医学的には爪甲層状分裂症（英語名 onychoschizia）といい、爪表面の先端が薄く剥がれる状態を指します。

二枚爪の原因　

♦ 乾燥

爪には水分が含まれており、その水分量は健康な爪で15〜25%ともいわれます。乾燥によって爪の水分が不足すると、剥がれや割れが生じやすくなります。爪の乾燥を引き起こす要因として、頻繁な手洗い、日常の家事（洗剤を用いる水仕事）、アセトンを含むネイルリムーバーの使用などが挙げられます。　

♦ 外からの衝撃

指先をどこかにぶつけたりドアに挟まれたりすると、爪が割れたり、その部分から層がめくれてしまうことがあります。また、爪切りも爪に大きな負担をかける行為です。　

♦ 栄養不足

爪の主成分であるタンパク質をはじめ、ビタミン各種、鉄・亜鉛などのミネラルが不足すると爪が脆くなり、二枚爪のリスクを高めます。

♦ 内臓の不調

甲状腺疾患機能低下症により爪が脆くなる、鉄欠乏性貧血で爪が反り返るなど、爪は内臓の不調を映し出します。

二枚爪対策

爪の傷んだ箇所は修復できません。二枚爪になってしまったら、それ以上ひどくならないように対処する必要があります。そして、二枚爪を予防すべく、日頃から正しいネイルケアと栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

♦ 二枚爪になってしまったときの応急処置

• 爪表面の補強
  マニキュアを塗る時に使うベースコートまたはトップコートを爪表面に塗りましょう。このように爪をコーティングすることで、剥がれた箇所が衣服などに引っかかって、二枚爪がさらに広がるのを防ぎます。

• 保湿
  クリームやオイルで爪全体をしっかり保湿してください。

♦ 日頃のネイルケア　

• 爪切り
  爪切りでパチンパチンと切ると爪にかなりの負担がかかる上、その衝撃で二枚爪になってしまうことがあります。爪切りを使う場合は、事前に爪をぬるま湯につけて爪を柔らかくしたり、入浴後（爪が柔らかい状態）にしましょう。また、端からゆっくり切るようにすると、爪への負担は軽減します。

• 爪やすりを使う
  爪への衝撃を考慮すると、爪切りよりも爪用やすりの方がオススメです。

• ネイルリムーバー
  揮発性の高いアセトンは爪の水分・油分を短時間で取り去ってしまうため、ノンアセトンのネイルリムーバーを使いましょう。

• 保湿とマッサージ
  爪にとって乾燥は大敵！水仕事の際はゴム手袋をし、洗剤に含まれる化学物質から手や爪を守りましょう。また、手洗い後は水分をしっかり拭き取り、ハンドクリーム等で保湿してください。その際、爪の根本をキュッキュッと押すようにマッサージすると、指先の血行がよくなり、爪の成長に必要な栄養が運ばれやすくなります。

♦ 食事・サプリメントで丈夫な爪を作る！

多忙な現代生活では、栄養バランスの良い食事を用意することが難しい時もあります。そのような時はサプリメントも活用して、爪の成長や形成に欠かせない栄養を補いましょう。

• タンパク質
  爪の主成分はケラチン。健康的な爪を作るには、ケラチンの材料になるタンパク質を積極的に摂る必要があります。タンパク質は肉類、魚類、卵、乳製品、豆類、大豆製品などに豊富に含まれています。

• コラーゲン
  細胞同士を繋げる役割をしているコラーゲンは、美しい髪や爪づくりには欠かせないタンパク質。このコラーゲンを細かく分解したコラーゲンペプチドには、爪の保水性としなやかさを高める効果があることが研究で示されています。また、コラーゲンペプチドは分子量が小さいため吸収力が高いという利点があります。

 

• ビオチン
  ビタミンB群のひとつでビタミンB7とも呼ばれるビオチンは、爪の主成分であるケラチンの生合成を助け、爪を丈夫にします。ビオチンはレバー、卵黄、アボカド、ナッツ類など、多くの食品に含まれており、通常の食生活では不足することはありません。
  爪が脆い45人を対象に、ビオチンを1日2.5mg、平均5.5ヶ月間経口摂取させた研究では、41人（91%）に爪の強化が認められました。
  
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• その他のビタミン
  ビオチン以外にも、爪の健康に不可欠なビタミンはいくつもあります。例えば、ビタミンB12と葉酸は赤血球産生と爪細胞への酸素運搬に寄与しています。この2つの栄養素が不足すると、爪が脆くなったり変色する可能性があります。ビタミンB12は動物性食品に、葉酸は緑黄色野菜などに多く含まれています。ベジタリアンはビタミンB12が、妊婦は葉酸が不足しがちですが、サプリメントを活用すれば手軽に補給できます。
  また、ビタミンCはコラーゲンの生成には不可欠な栄養素です。
  
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• 鉄
  鉄欠乏性貧血になると、爪が反り返ったり、爪に細かい縦線が入ったりします。このようなトラブルを回避するには、普段からしっかり鉄を補給しておく必要があります。鉄には動物性食品由来のヘム鉄と植物性食品由来の非ヘム鉄があります。非ヘム鉄はそのままでは吸収効率が悪いのですが、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収されやすくなります。鉄は女性に不足しがちなミネラルですが、食事とサプリメントを併用することでしっかり鉄を確保することができます。
  
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• 亜鉛
  亜鉛は細胞分裂や細胞増殖に欠かせないミネラルで、タンパク質の合成にも関与しています。そのため亜鉛が不足すると爪の成長や形成に影響してしまいます。亜鉛は、レバーや牡蠣、肉類、魚介類などの動物性たんぱく質に豊富に含まれています。
  
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• マグネシウム
  マグネシウムは、爪の成長に必要なたんぱく質合成など、体内の300以上の生化学反応に関与するミネラルです。海藻類、魚類、ナッツ類、穀類、濃い緑の葉野菜に多く含まれています。
  
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Reference: Mycoses. 2017 May;60(5):284-295. doi: 10.1111/myc.12592. Epub 2017 Jan 18. J Pharm Pharmacol. 1999 Mar;51(3):271-8. An Bras Dermatol. Nov-Dec 2013;88(6):1022-5. doi: 10.1590/abd1806-4841.20132327. J Drugs Dermatol. 2007 Aug;6(8):782-7. January 2017Japanese Pharmacology and Therapeutics 45(11):1787-1793 Z Hautkr. 1989 Jan 15;64(1):41-8.