【貧血】　〜 疲れやすい、朝が辛いは貧血かも。原因、症状、改善法をご紹介 〜

貧血とは

血液中の赤血球が不足した状態、または、ヘモグロビン（酸素を運搬する赤血球中のタンパク質）の量が不足した状態のことを言います。これにより、体内の各臓器や組織に十分な酸素が供給されなくなり、さまざまな症状が出現します。

貧血の症状　

貧血はその種類に応じて特有の症状が現れますが、共通してみられる主な症状は以下の通りです。

• 疲労感や倦怠感
• 動悸、息切れ
• 顔色が悪い
• めまい
• 頭痛
• 冷え　

貧血の原因　　

赤血球をはじめとする血液細胞は骨髄で継続して作られています。赤血球の寿命は約120日で、その間体内を循環して組織に酸素を送り続け、古くなった赤血球は最終的に脾臓で破壊されます。この赤血球が何らかの理由で「喪失」または「破壊」されたり、赤血球の「産生低下」によって、貧血が引き起こされます。　

♦ 赤血球の産生低下

• 赤血球の材料不足　（鉄、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC などの欠乏）
• 疾患によるもの　（骨髄での造血障害、がん・腎疾患・関節リウマチなどの慢性疾患、感染症など）
• その他　（放射線治療や薬物治療による影響）

♦ 失血による赤血球の喪失

• 急激な失血　（手術、出産、外傷、血管破裂など）
• 慢性的な失血　（がん、潰瘍、尿路の出血、月経過多など）

♦ 赤血球の破壊＜溶血＞

• 先天性疾患　（鎌状赤血球症やサラセミアなど）
• 後天性疾患　（自己免疫性溶血性貧血など）　

女性は、月経や出産時の出血、妊娠・授乳期に鉄の必要量が増える、過激なダイエットによる栄養不足などにより、貧血に陥りやすい傾向があります。

貧血の種類と症状

貧血にはさまざまな種類がありますが、代表的なものとして以下のものがあります。食事やサプリメントによって改善や予防が可能な貧血もあれば、非常に深刻な疾患による貧血もあります。　

♦ 鉄欠乏性貧血　

世界的医学誌「ランセット（The Lancet）」に発表された2015年の論文によると、世界人口の約3分の1が貧血を抱えており、その半分は鉄不足による鉄欠乏性貧血です。鉄不足は、食物からの摂取不足、妊娠期・成長期の鉄必要量の増加、そして月経や疾患による出血（鉄の流出）によってもたらされます。　

爪が反り返る、口角炎や口内炎、氷をむしょうに食べたくなる・・・といった症状が出る人もいます。

♦ ビタミン欠乏性貧血（巨赤芽球性貧血）

ビタミンB12や葉酸が不足すると、骨髄で作られるはずの赤血球が赤芽球の段階で分化が止まってしまいます。ビタミンB12が欠乏する原因として、胃や小腸の手術後のビタミンB12吸収低下、菜食主義によるビタミンB12の摂取不足などが挙げられます。また、葉酸不足は、妊娠期（胎児の成長に葉酸を多く必要とするため）、あるいは青果摂取が十分でないことで起こります。

ビタミン欠乏性貧血になると、手足のチクチクとした痛み、舌の表面が赤く平滑になる・・・などの症状が出ます。ひどくなると歩行障害を起こすこともあります。

♦ 再生不良性貧血　

骨髄不全により、赤血球、白血球、血小板といった全ての血液細胞が減少する難病です。
発熱、感染しやすい、あざや出血が生じやすいなどの症状があります。

♦ 溶血性貧血

約120日という寿命よりもかなり前に赤血球が壊れてしまう（溶血）ことで起こる貧血です。先天性疾患によるものもありますが、赤血球に対する抗体が出現して赤血球を破壊する「自己免疫性溶血性貧血」という後天性の難病があります。　
溶血性貧血では、黄疸、褐色尿、脾臓の腫れなどの症状があらわれます。

貧血の対策は？　

ビタミン欠乏性貧血は、欠乏しているビタミンを補給することで治療可能です。また、貧血の中で最も頻度の高い鉄欠乏性貧血は、食事やサプリメントで鉄分を補うことで予防・改善することができます。

♦ 食事

食事で摂取できる鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。

ヘム鉄はレバーや赤身肉、魚介類などの動物性食品に多く含まれており、そのままの形で腸管で吸収されるため、吸収率が高いのが特徴です。

一方、非ヘム鉄は卵や乳製品、野菜・穀類・海藻などの植物性食品、シリアルなどの栄養強化食品に含まれています。非ヘム鉄はそのままの形では腸管で吸収されにくいのですが、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収されやすくなります。

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なお、タンニン（コーヒー、紅茶、緑茶など）、フィチン酸（穀類や豆類など）、シュウ酸（ホウレンソウなど）は、非ヘム鉄の吸収を妨げるので、食べ合わせには注意が必要です。

♦ ストレスをためない

重度の（心理的）ストレスや過度の飲酒によって消化性潰瘍を患ってしまうことがあります。潰瘍は悪化すると出血を起こし、慢性的な貧血状態に陥ります。また、ストレスによって胃腸の働きが低下すると鉄が上手く吸収されず、結果として貧血に至ります。ストレスをうまくコントロールして胃腸を傷つけないことが、貧血予防につながります。　

♦ 鉄製の調理器具を使う

鉄鍋や鉄のフライパンで調理をすると、調理中に器具から溶出する鉄分により、鉄の摂取量を上げることが可能です。複数の研究でも、鉄鍋で調理された食事を摂った鉄欠乏性貧血患者のヘモグロビン濃度が上昇したことが確認されています。

♦ サプリメントやハーブ

非ヘム鉄を吸収しやすくするには食べ合わせを考えなければなりません。吸収を阻害する食品もあるため、食べ物から確実に鉄を摂るというのは案外難しいものです。効率性・確実性を考慮すると、貧血になりやすい、或いは既に貧血で悩んでいるという方には、サプリメントやハーブの利用もおすすめです。

• 鉄剤

一般的な鉄剤の服用によって、便秘、下痢、吐き気などの胃腸障害を起こす人もいます。このような方には、胃腸に優しい植物性の鉄剤や、ゆっくり溶ける鉄剤がおすすめです。ドクターサプリUSA では、胃腸に優しく吸収力の高いビスグリシネート型鉄剤を取り揃えています。　

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• 葉酸やビタミンB12

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• アシュワガンダ

アーユルヴェーダ医学において「インドの万能薬」と謳われるアシュワガンダは、複数の研究でも、ヘモグロビンや赤血球の数を上昇させることが示されています。アシュワガンダは長期間使用しても副作用がないので、安心して毎日お使いいただけます。

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Reference: Lancet. 2016 Feb 27;387(10021):907-16. doi: 10.1016/S0140-6736(15)60865-0. Epub 2015 Aug 24. Cold Spring Harb Perspect Med. 2013 Jul 1;3(7):a011866. doi: 10.1101/cshperspect.a011866. Nutrients. 2014 Mar 13;6(3):1080-102. doi: 10.3390/nu6031080. Medicine (Baltimore). 2017 Aug;96(34):e7828. doi: 10.1097/MD.0000000000007828. J Ethnopharmacol. 1996 Feb;50(2):69-76. doi: 10.1016/0378-8741(95)01318-0. J Hum Nutr Diet. 2003 Aug;16(4):275-81. doi: 10.1046/j.1365-277x.2003.00447.x.