バセドウ病（甲状腺機能亢進症）自然療法による治療　その１

バセドウ病（甲状腺機能亢進症）とは

甲状腺機能亢進症にはいくつかのタイプがありますが、全体の８５％以上がバセドウ病です。バセドウ病とグレーブス病は同じ病気ですが、一般的に日本ではバセドウ病、英語圏ではグレーブス病と呼ばれる傾向にあります。バセドウ病（グレーブス病）は女性に多く、特に20歳から40歳にかけての方に多く見られる病気です。

バセドウ病（甲状腺機能亢進症）の症状

新陳代謝のコントロールを行っている甲状腺の働きが過剰になることで、運動機能、精神機能の活動が過剰になります。不安症、多汗症、疲労、火照り、動悸、頻脈、息切れ、食欲の増加、体重減少、手や指の震え、不眠、頻便、皮膚が薄くなる筋力の低下などが主な症状です。
症状が悪化すると眼球が突出し、目の周りにムクミが現れ、眼球が充血、視力の低下、甲状腺の肥大、裂け爪、生理不順、特徴的なスネ付近の皮膚の赤みと腫れなどが現れることもあります。

バセドウ病（甲状腺機能亢進症）の原因

甲状腺の機能は脳下垂体と視床下部から分泌されるホルモンによってコントロールされています。ところが、バセドウ病（甲状腺機能亢進症）では甲状腺を刺激する抗体が体内で生産されることで、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまいます。さてこの甲状腺を刺激する抗体はどこから生産されるのかというと、それは免疫力の異常にあります。どうしてこの甲状腺を刺激する抗体が作られるかの詳細なメカニズムは不明ですが、最も大きな要因にストレスが関係しています。バセドウ病（甲状腺機能亢進症）を患った方の大半は、大きなストレス、または長期間のストレスを感じた後に発症する傾向があるようです。

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ストレスと慢性疲労

その他の要因には
●　遺伝
●　ヨードの過剰摂取
●　躁鬱病の治療に使われるリチウムの使用
●　ウィルスや細菌による感染症
●　ステロイド剤治療の中断
●　水銀やカドミウムの慢性的な低量摂取
●　喫煙
が考えられます。
また妊娠後に発症するケースもあり、ホルモンバランスや幾つかの要因とストレスなどが重なった場合に発症するのではないかと考えられています。

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ヨードは甲状腺の働きに重要なミネラルです。

水銀の解毒と虫歯

バセドウ病（甲状腺機能亢進症）の治療

バセドウ病の治療で重要になるのは、過剰な甲状腺ホルモンの分泌に伴う症状の緩和と甲状腺を刺激し続ける抗体の生産を止めることです。

処方薬によるよるアプローチは甲状腺ホルモンの合成をブロックするチアマゾールと、頻脈、動悸を緩和するβブロッカーが主流ですが、残念ながら直接抗体の生産を止めることはありません。

バセドウ病（甲状腺機能亢進症）の 自然療法

バセドウ病（甲状腺機能亢進症）の治療に有効なハーブ

自然療法のアプローチでは、甲状腺を刺激する抗体の生産を低下させることに主眼をおいています。そこで重要になるのがレモンバーム、ビューグルウィード、ストーンシードの3種類のハーブです。

● 　レモンバーム

レモンバームは甲状腺を刺激する抗体が甲状腺に結合するのをブロックします。また過剰な甲状腺ホルモンの合成を阻害しますが、通常の甲状腺の働きは阻害しません。レモンバームはこれ以外にも鎮静作用、精神疲労を回復する効果があります。

● 　ビューグルウィード

ビューグルウィードは脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンの働きをブロック、抗体の働きをブロック、甲状腺ホルモンの活性化をブロックする働きで甲状腺の働きとサイズを正常化します。またビューグルウィードは頻脈を軽減する働きもあります。

●　 ストーンシード
ストーンシードは脳下垂体で甲状腺刺激ホルモンの分泌をブロックします。また、直接甲状腺刺激ホルモンが甲状腺に結合するのも防ぎます。ストーンシードは抗体が甲状腺に結合するのも防ぎ、肥大した甲状腺のサイズを元に戻す効果があります。

●　その他のハーブやキノコ

免疫力の異常を改善するには霊芝や冬虫夏草などのキノコを併用していただくと効果的です。

甲状腺に肥大や腫れが見られる場合は、ポークやアイリスなどのハーブが非常に効果的ですが、どちらも過剰に摂取すると毒がありますので、専門家の指示に従ってださい。

不安症が強い場合には、バレリアン、パッションフラワー、スカルキャップを合わせることで症状の緩和が期待できます。

心臓の頻脈や動悸、息切れなどのサポートには、ホーソンベリー、マザーワートが効果的で、過剰な刺激による心臓へのダメージを軽減させます。

【次回】バセドウ病（甲状腺機能亢進症）自然療法による治療　その２では、もっと詳しい自然療法による治療方法を紹介していきます。