【ルタバガ】 ～ジャガイモの代用品としてオススメしたい食材～

日本では滅多に見かけることのない西洋野菜、ルタバガが今回のテーマ。アブラナ科の根菜で、ロシアや北欧、英国、北米では身近な食材です。ルバガタ？ルタバガ？それともルガバタ？・・・　名前を覚えるだけでも一苦労しそうですね。カブのような外見、外皮は紫色を帯びたクリーム色、果肉は黄色く硬め、加熱調理するとジャガイモのような食感、味はほんのり甘めであるとイメージしてください。

呼称いろいろ

アメリカでは一般的にルタバガ(rutabaga)と呼ばれますが、これはスウェーデン語の“rutabagge”という言葉に由来しています。イギリスを含む多くの地域ではスウィード (swede)やイエロー・ターニップ(yellow turnip)の名で親しまれています。

食べ方いろいろ

球形の根の部分が可食部。モジャガイモと同じく、ソテーやロースト、煮込み料理など、広く応用できます。フィンランドのクリスマスにはルタバガのキャセロールは欠かせません。また、スコットランドのハギスにはマッシュしたルタバガを添えるのが定番。なお、ルタバガは葉の部分も食べることができ、ほうれん草やスイスチャードと同じように使います。

スポーツ競技にも？

平昌オリンピックで日本中を虜にしたカーリング。米国ニューヨーク州イサカでは、ストーンの代わりにルタバガを投げ競う「ルタバガ・カーリング世界選手権」というユニークな大会が1998年以降毎年開催されています。

主な栄養成分

多くのアブラナ科野菜と同様、ビタミン＆ミネラルがバランス良く含まれています。食物繊維、ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、マンガン、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛など、栄養たっぷり。さらに、カロテノイドやグルコシノレートなどの成分も入っています。

ルタバガはジャガイモと同じように調理の応用範囲が広く、加熱調理後の食感も似ています。ルタバガとジャガイモを同量で比較した場合、ルタバガの方がカロリー、炭水化物とも低いので、栄養価の面でも、ジャガイモの代用品としてオススメしたい食材です。

ルタバガの効果・効能

♦ ガンの予防に

アブラナ科野菜に共通して存在するグルコシノレート。ルタバガを食べる（噛む）と、このグルコシノレートはミロシナーゼという酵素と反応し、イソチオシアネートという成分に変わります。抗酸化作用＆抗炎症作用があることで知られるイソチオシアネートは、がん細胞を小さくしアポトーシス（ガン細胞の死）を促す働きもあり、抗がん作用が期待できます。また、ルタバガに含まれるカロテノイドなどの抗酸化物質が健康な細胞をガン細胞に突然変異させるフリーラジカルを抑制します。

♦ 整腸作用 ＋　全身の健康にも良し！

多くのアブラナ科野菜と同様、ルタバガは食物繊維が豊富。小さめのルタバガ1個(192g)で、1日に必要な食物繊維量の17%余りを補うことができます。食物繊維は便通を促し、腸内環境を整えてくれます。消化器官が健やかな状態であれば、食物中の栄養素もきちんと体内に吸収されるため、体調アップや体調維持が可能です。

消化機能だけではありません。食物繊維には血中コレステロール値を下げたり血糖値上昇を抑制する作用があり、心血管疾患や糖尿病の発症リスクを下げる効果もあります。

♦ 心血管疾患の予防

心血管系に良い影響を与えるのは食物繊維だけではありません。血管拡張作用をもつカリウムには、血管や動脈の緊張を緩和し、心臓血管系のストレスレベルを下げる効果があります。ルタバガに含まれる豊富な食物繊維やカリウムによって、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化などの発症リスクを軽減できます。

♦ ビタミンCの働き / 免疫アップなど

小さめの生のルタバガ1個には、1日に必要なビタミンC摂取量の80%が含まれています。ビタミンCは白血球の産生を促し免疫力を高めるほか、体内の細胞組織の成長や修復、鉄分の吸収、そしてコラーゲンの産生に欠かせない栄養素です。

♦ 骨を丈夫に！

ルタバガはミネラルの宝庫。亜鉛、カルシウム、マグネシウム、マンガン、リンなど、骨組織の生成や維持に不可欠なミネラルが含まれています。骨粗しょう症の予防にも有効です。

入手方法

健康のために積極的に取り入れたい食材のひとつですが、スーパーマーケットで見かける機会の少ない珍しい野菜です。ファーマーズマーケット（農産物直売所）などで見かけたら、是非お手にとってみてください。

注意事項

アブラナ科野菜に対するアレルギーをお持ちの方は、主治医にご相談ください。

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