コエンザイムQ10 は体内発電所ミトコンドリアに必須な栄養素です。

コエンザイムQ10の働きその１

『ミトコンドリア』という言葉を聞いたことがありますか？　高校の生物の時間に出てきたと思います。ミトコンドリアは私たちの全ての細胞の中にある発電所です。

食事から得た糖質、脂質、たんぱく質を、私たちの細胞は直接エネルギーとして使うことはできません。

ミトコンドリアがこれらの栄養素をエネルギーに変換する必要があります。

この私たちの細胞が使うことのできるエネルギーをATPと呼びます。

火力発電所を想像してください。糖、脂肪、タンパク質（石炭、石油）をミトコンドリア内（発電所）で燃やしATP（電気）を作り出します。

この発電所を動かすのに必要なのがコエンザイムQ10です。

ミトコンドリアはエネルギーを作り出すことから、特に心臓、筋肉、脳細胞に多く存在していますが、心臓には体全体の35%のミトコンドリアが存在しています。

ミトコンドリアとコエンザイムQ10がエネルギーの生産にどれくらい重要なのか。心臓には約700mgのATPが保存されています。

そして心臓が1回鼓動するたびに70mgのATPが消費されていきます。

ですから10回の鼓動で保存されていたATPは使い切ってしまいます。

ATPが無くなってしまうと心臓は止まってしまいますので、ミトコンドリアは休むことなくエネルギーの生産を続けます。

1日に心臓は約8万6千回鼓動しますのでミトコンドリアは6000グラム以上のATPを一日に生産しなくてはなりません。

コエンザイムQ10が減少すると、、、
エネルギーの生産が減ることから
・疲労
・筋肉痛
・動悸
・息切れ
などの症状がでます。

コエンザイムQ10の働きその２

コエンザイムQ10は、脂溶性の抗酸化物質としても働きます。

この働きは特にミトコンドリアにとって重要です。

ミトコンドリアは火力発電所である為、非常に大量の酸素を燃やします。この燃焼で多くの活性酸素が副生産物として発生します。

しかしながら、ミトコンドリアのDNA（ミトコンドリアは独自のDNAを持ち合わせています。）は、防御機能を持ち合わせてない為、活性酸素などのフリーラジカルからの攻撃に非常に弱く、DNAが突然変異する危険性があります。

突然変異したDNAのミトコンドリアはエネルギーの生産ができなくなり、細胞がエネルギー不足に陥りガン化へつながるという研究もあります。

このミトコンドリア内で発生した活性酸素を無毒化するのもコエンザイムQ10の役目のひとつです。

コエンザイムの不足

コエンザイムQ10は、残念ながら食事からは殆ど得ることができません。

コエンザイムQ10は通常、体内で生産されるので不足することはありませんが、ビタミン、ミネラル不足、加齢により生産が低下します。

特に40-50歳を境に一気に生産量が低下します。心臓では特に顕著に変化が現れ、20歳に比べ40歳では68%のコエンザイムQ10しか生産されなくなります。

研究では心不全で亡くなった方のコエンザイムQ10は、通常の心筋の75%しかありませんでした。

また年齢と共に心臓病の罹患率が増えるのは、コエンザイムQ10の生産減少と関係があるようです。

コエンザイムQ10 不足をもたらす薬

コエンザイムQ10が不足する原因のもうひとつに、薬があります。

コレステロールを減少させるスタチン系の薬は、コエンザイムQ10の生産を大幅に低下させます。

このことからアメリカ食品医薬品局（FDA）にスタチン系の薬を処方する場合、100-200mgのコエンザイムQ10を摂るように推奨する注意文を載せるように嘆願された経緯がありますが、現時点ではまだこの注意文は載っていません。

また、スタチン系と同じ働きをする紅麹（Red rice yeast）も同様にコエンザイムQ10の生産を低下させます。三環系抗鬱薬もコエンザイムQ10の生産を低下させることが知られています。

サプリメントとしてのコエンザイムQ10の効果

1970年代にコエンザイムQ10がサプリメントとして製造されて以来、多くの臨床研究が行われてきましたが、その殆どでコエンザイムQ10の有効性が立証されています。

その例としては狭心症、心筋梗塞、鬱血心不全、高血圧、不整脈、僧帽弁逸脱、動脈硬化の予防、などの心臓疾患から、腎不全の予防、腎機能の低下、パーキンソン氏病、慢性疲労などがあります。

コエンザイムQ10の摂取量

コエンザイムQ10の摂取量は、通常100-200mgですが、サプリメントとしてのコエンザイムQ10の最大の難関は吸収力です。

胃腸から細胞内のミトコンドリアにたどり着くまでに、最低5層の膜を通過しなくてはなりません。

このため粒子の大きさや製法により吸収力に差が出てしまいます。

ですから、サプリメントでコエンザイムQ10を摂る時には、吸収力の高いコエンザイムQ10を選ぶ必要があります。

 

コエンザイムQ10の種類

コエンザイムQ10 は酸化型（ユビキノン）と還元型（ユビキノール）の二種類があります。酸化型は、体内で還元型に変換され、還元されたコエンザイムQ10 は、体内でその役割を果たすと酸化型になります。

コエンザイムQ10は、加齢により還元型への変換率は下降していきます。また、遺伝的に体内で還元型（活性型）のコエンザイムQ10に変換できない方が人口の約20%いるといわれていますので、コエンザイムQ10のサプリメントをとっても効果が実感できない方は、還元型コエンザイムQ10やナノ化コエンザイムQ10などを試してみてください。還元型は体内で変換する必要がない為、ダイレクトに効率良く働きます。

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