メタボリックシンドロームの予防と治療

前回【メタボリックシンドロームとは？】の続き

メタボリックシンドロームの治療は、症状の進行具合によりアプローチに多少違いがありますが、基本的には以下のことが重要になります。

· 減量
· 内臓脂肪の減少
· インスリン抵抗性の改善
· 炎症の軽減
· 糖化最終産物（AGE）の減少
· 必須脂肪酸の改善

薬やサプリメントの補助が必要になるケースもありますが、基本的には生活習慣の改善です。

メタボリックシンドローム治療の基本的な食事対策

飽和脂肪（バター、脂身）、トランスファット（マーガリン、ショートニング）、砂糖、糖質（小麦粉、白米）を減らし、飽和脂肪（オリーブオイル、フラックスシード、サンフラワーシード、フィッシュオイル）、食物繊維、抗酸化物質を多く含む野菜と果物、低脂肪のたんぱく質を増やします。

個別の項目で見ていきましょう。

炭水化物

玄米や全粒粉の小麦粉を使用したパンは食物繊維が多く、血糖値の上がりを減らしコレステロールの排出を促進しますが、食べ過ぎはやはり血糖値を上げますので、極力炭水化物の摂取は減らしてください。

フルーツは体に良い栄養素を多く含みますが、バナナ、ブドウ、マンゴーなどやドライフルーツ全般は、糖分が高すぎますので控えてください。

ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリーなどのベリー類、キウイは糖分が低く、体の炎症を抑えるフラボノイドを多く含みますので、適量の摂取をお勧めします。

脂質

不飽和脂肪酸は炎症を抑え、コレステロール、中性脂肪を低く抑えるのに非常に重要です。腹持ちがよく間食を抑えるのにも有効です、また、血糖値の上がりを抑えるので、メタボリックシンドロームの治療には欠かせません。

不飽和脂肪酸を多く含む食品は、アボカド、魚（養殖でない）、種子類（ヒマワリ、南瓜、フラックス）、ナッツ（くるみ、アーモンド、ピスタチオ、カシュー）、オリーブオイル、月見草オイルなどです。

ナッツ、種子類はローストすると油が酸化してしまいますので生のナッツを食べてください。逆に飽和脂肪を多く含む食品を多くとりますと、中性脂肪、コレステロールが上がりますので、揚げ物、バター、肉の脂身の摂取は極力避けてください。

マーガリンやショートニングに含まれるトランスファットは、動脈硬化を悪化させますので避けてください。トランスファットは油が高温にさらされることでも自然に作られますので、揚げ物は控えてください。

たんぱく質

豆類には良質のたんぱく質が多く含まれるだけでなく、食物繊維が沢山含まれますので、血糖値を安定させ、コレステロールを排出するのに役立ちます。

魚やトリ胸肉にはたんぱく質が多く含まれ、脂肪分が少なく、食後の満腹感が増します。

また低脂肪のたんぱく質をとることでカロリーの低減になり、減量にも効果的です。赤身の牛肉や豚肉はヒレの部分は脂身が少ないですが血圧を上げる効果がありますので量を控えてください。

またタンパク質は調理方法が重要です。糖質のものと一緒に高温で調理する（バーベキュー、照り焼きなど）と化学反応を起こし糖化最終産物（AGE）という物質を作り出してしまいます。

この糖化最終産物（AGE）は非常に強く炎症を引き起こすと共に老化を加速させることが知られています。

食事法

メタボリックシンドロームの方にとっては、食事の仕方も重要になります。

一日3回定期的な食事をすることで血糖値を一定に保ち新陳代謝を活発化することができる他、間食を避けることにもなります。

また間食をしがちな人はストレスが多いといわれています。ストレスを感じたとき甘いものを口にすると満足感を得ることができ、数分間ストレスを発散することになりますが、習慣となるとインスリン抵抗性へと発達していきますので、甘いものに手を出しそうになったときには、どうして今甘いものが欲しいのかを考え直して、散歩に出かけたり、他の方法でストレスを発散するようにしてください。

糖質は吸収が良く、食事の最初に食べると血糖値が直ぐ上がりますので、なるべく食事の一番最後に少量食べるようにしてください。

メタボリックシンドローム治療

炎症対策

メタボリックシンドロームにとって炎症を抑えることは非常に重要です。

炎症が長期間続くと糖尿、動脈硬化など様々な病気を引き起こします。特に内臓脂肪は炎症を引き起こす化学物質を多く放出します。

炎症を抑えるには、まず沢山の野菜、糖分を多く含まない果物（ベリー類）を食べてください。そして不飽和脂肪酸を多く含む魚、ナッツ、種子類を多めにし、炭水化物が少なめの食事が有効です。DHAやEPAを含むオメガ３も炎症をコントロールするには最適です。

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また椎茸、舞茸には炎症をコントロールすることが知られています。

チョコレートに含まれるポリフェノールには炎症を抑え、血圧を低下させる働きがありますが、これはカカオ豆に含まれる成分ですので通常のミルクチョコでなくカカオ85％以上のダークチョコは有効です（食べ過ぎると体重が増えます）。

赤ワインにはレスベラトロールやポリフェノールといった炎症を抑える物質が多く含まれます。一日一杯の赤ワインは炎症を抑えるのに有効ですが、飲み過ぎにはやはり注意が必要です。

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運動方法

体重の管理だけでなくメタボリックシンドロームの改善には運動が欠かせません。

運動をすることでインスリン抵抗性を改善することができます。

特に食後に運動をすることで血糖値の上昇を抑えられます。中性脂肪、悪玉コレステロールの減少、善玉コレステロールの増加、血圧の低下、ストレスの軽減全てが運動で解決できます。

できれば毎日最低30分早足で歩くことから始めてください。

ストレス対策

ストレス解消もメタボリックシンドロームの治療には重要な要素のひとつです。慢性的なストレスを抱えるとストレスホルモン（コルチゾール）の分泌が増えます。

コルチゾールが増えると血糖値が上昇しインスリン抵抗性は悪化します。

また脂肪が増え、体重が減り難くなります。

ですから睡眠を十分とる、運動をするなどのストレスマネージメントは重要です。

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メタボリックシンドロームの治療に有効なサプリメント

サプリメントはメタボリックシンドロームの治療には補助的ではありますが有効な手段でもあります。

生薬のベルベリンはインスリン抵抗性、血糖値の改善、中性脂肪、悪玉コレステロールの低減を助けます。

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ベルベリンHCLとアルファリポ酸のコンビネーションにより効果的にメタボリックシンドロームの症状：内蔵肥満、コレステロール、中性脂肪、血糖を改善します。
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ミネラルのクロムにはインスリンの働きを正常にしてインスリン抵抗性を改善する働きがあります。

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甘いものが控えられない方にはアミノ酸の５－HTP がお勧めです。

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また食事3回のうち1回をプロテインシェイクに置き換えることで摂取カロリーを減らし体重を無理なく減らしていくことができます。

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