ビタミンB6 脳や神経の働き、肝臓の解毒に必要なビタミンです。PCの使い過ぎのあの症状にも！

ビタミンB6の働き

ビタミンB6は体内で非常に多くの化学反応に使われます。ですからビタミンB6の不足は非常に多くの症状を引き起こします。

その中でも特に重要な反応にアミノ酸の代謝があります。約100種類以上のアミノ酸の代謝にビタミンB6は必要になります。

アミノ酸の代謝と言うと分かりづらいかもしれませんが、神経や精神の働きに非常に重要なのがアミノ酸です。

以下はその代表例です。

●　気分を落ち着かせ幸福感を生み出し、鬱病の予防となるセロトニン
●　気分を高揚させ、興奮、刺激、快楽、意欲を生み出し、運動調整機能があるドーパミン
●　鎮静、不安を抑える働きを持つギャバ
●　催眠を引き起こすホルモン、メラトニン

これらのアミノ酸は体内で作られますが、その合成にはビタミンB6が必須です。

ビタミンB6は、心臓病、糖尿病、アルツハイマーなどを引起す原因の一つホモシステインの無毒化にも使われます。

ビタミンB6はヘモグロビンの合成にも使われます。ヘモグロビンは赤血球の構成要素で血液中で酸素を運ぶ重要な働きがあります。

またDNAやRNAの合成にもビタミンB6は必要不可欠です。

ビタミンB6の欠乏は特に免疫機能を弱らせます。

この他にもビタミンB6は、肝臓の解毒機能にとって重要で、薬や体内で分泌されたホルモンを解毒するときに大量に使用されます。体内で過剰に分泌されたホルモン（女性ホルモン、男性ホルモン、副腎皮質ホルモン）の代謝を早め、ホルモン値を正常化することが知られています。

健康なホルモンバランスをサポートする効能は、特に女性にとっては、妊娠中の吐き気の緩和、PMSの症状軽減、気分のムラなどにも効果をもたらしてくれます。

ビタミンB6を含む食品

ビタミンB6を多く含む食品は、玄米や全粒粉、バナナ、豆類、ナッツ、ジャガイモ、鶏肉、レバー、牛肉、フルーツ、野菜、卵の黄身、魚、牛乳と沢山の食品に含まれます。

食品100gに含まれるビタミンB6（単位：㎎）

●　玄米　0.1

●　全粒粉　0.4

●　バナナ（生）　0.38

●　バナナ（乾燥）　1.04

●　カシューナッツ　0.4

●　ピスタチオ　1.7

●　じゃがいも（蒸）0.18

●　鶏肉　0.4

●　レバー　0.6

●　牛肉　0.4

●　生ニンニク　1.2

●　トマト　0.6

●　サーモン　0.6 卵黄　0.4

しかしながら、ビタミンB6は熱と水に弱く、調理をすると大部分は熱で分解し水に溶け出してしまいます。

また、動物性食品に含まれるビタミンB6は吸収効率も悪いという特徴があるので、果物や生野菜からの摂取が望ましいです。

ビタミンB6の欠乏

ビタミンB6の欠乏症は、主にアルコール依存症の方、及び高齢者に起こり易く、症状としてはイライラ、鬱、混乱、舌の炎症や腫れ、皮膚炎、唇の端に起きる炎症、手先や足先などの末端神経痛、貧血などがあります。

たんぱく質を長期に渡り大量に摂取すると、ビタミンB6の要求量が増え、補充しないと欠乏を引き起こします。

この他に抗鬱剤のPhenelzine（フェネルジン）、結核の治療に使われるIsoniazid（イソニアジド）、経口避妊薬、高血圧治療に使われるHydralazine（ヒドララジン）、殆ど全ての抗生物質、合成着色料Tartrazine（タートラジン₋黄色4号）、タバコ、農薬、殺虫剤は、ビタミンB6を欠乏させることが知られていますので、サプリメントから補充をしてください。

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ビタミンB6の過剰摂取

ビタミンB6を、長期において高用量（一般的に一日当たり200mg以上）摂取した場合、手や足（足首から下）にしびれ、痛み、麻痺などの神経障害を引起すことがありますので、このような症状が見受けられるときは摂取を中止してください。

ビタミンB6を利用した治療例

ビタミンB6は、手根管症候群（PCの使いすぎなどによって起こる手先に痺れが出る症状）の治療に有効なビタミンです。

他にも、月経前症候群（PMS）、注意欠陥/多動障害（ADHD）、鬱、喘息の症状改善、抗癌剤による副作用（麻痺、神経痛）の軽減、妊娠時のつわり、妊娠高血圧の治療と予防、奇形児の予防、経口避妊薬の副作用の軽減、腎臓結石の予防、脂漏性皮膚炎、不妊治療に有効です。

治療目的のビタミンB6の使用量は、それぞれの用途によって違いますので、栄養学に詳しい医師の指示に従ってください。

体内でのビタミンB6を使った反応にはマグネシウムを補酵素として使用しますので、マグネシウムの補給も忘れないでください。

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