ダイエットに最適な「タンパク質と良質な脂質」とは｜効果から食品例までをご紹介

お正月太り、いえいえ、お正月に限らず体が重たいわ～と感じている方は少なくないかもしれません。しかし、減量といってもただ痩せればよいわけではなく、健康的に体重を減らして行きたいものですよね。今日は、ダイエット効果を発揮するタンパク質と良い脂質の食品をご紹介します。

タンパク質のダイエット効果

タンパク質は私たちの健康には重要な成分。そのタンパク質が減量をサポートしてくれます。高タンパクの食事は代謝を促進し、カロリー消費を上げ、食欲も抑えてくれます。

タンパク質はまた、体重の増減に関連するホルモンにも関係しています。高タンパク食は、食欲を抑えるホルモンのGLP1やペプチドYYを増やし、空腹を感じるホルモンのグレリンのレベルを低下してくれます。

高タンパクダイエットをすると、摂取するカロリーが少なくなるという実験は多く行われており、摂取するカロリーの30%をタンパク質にすると、1日当たり自動的に441カロリーを落としたという結果が出た実験もあります。

タンパク質は筋肉の消失も防げるので、様々な面から減量を支えてくれます。

タンパク質を多く含む食品

♦ 脂身の少ない牧草飼育の牛肉：ビーガンやベジタリアンも増え、肉は良くないもの、また肉は太ると考えている方がいらっしゃるかもしれませんが、牧草飼育の脂肪の少ない赤味の肉は、もちろんタンパク質も多く、ビタミン、抗酸化物質、良い脂肪も含まれており、太る食材ではありません。但し選ぶ際は、抗生物質やホルモン剤などを使った肉ではなく、良質の牧草飼育の牛肉を選びましょう。

♦ 鶏むね肉：豊富なタンパク質は、満腹感が得られます。また鶏むね肉は脂肪を燃やす食材です。こちらも薬などが使われていないオーガニックの鶏肉を選びましょう。

♦ カテッジチーズ：乳製品は高タンパク食品ですが、中でもカテッジチーズは脂肪も少なく、カルシウムは豊富で、脂肪を燃やす食品です。満腹感を感じる事ができるでしょう。

♦ 豆類： ひよこ豆、レンティル豆や黒豆などの豆類はタンパク質と食物繊維が豊富な為、低いカロリーで満腹感が得られます。

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脂肪でダイエット！？

脂肪は太る原因となるのはご承知の通り。ですから無脂肪や低脂肪などの食品が人気を呼んでいますが、実は味を良くするために糖分が加えられている事が多く、実際には体重の増加につながるなんて事もあるようです。脂肪といっても全てが同じではありません。ラード、ショートニング、バターなど、中性脂肪やコレステロール値を上げてしまう飽和脂肪酸、またマーガリン、電子レンジポップコーン、ポテトチップスなどに含まれるトランス脂肪酸は、慢性病、心臓病、2型糖尿病のリスクを上げてしまいます。

しかし、良い脂肪は、実は減量に有効なのです。良い脂肪とは自然の不飽和脂肪酸などの事で、オリーブオイルやナッツ類に含まれるオレイン酸、魚類やフラックスシードオイルなどに含まれるアルファリノレン酸などです。そして飽和脂肪酸の中にも実は良い脂肪もあるのです。

良い脂肪を含みダイエット効果のある食品とは？

♦ ココナッツオイル：ココナッツオイルには飽和脂肪酸が含まれていますが、ラウリン酸と呼ばれる中鎖脂肪酸です。ラウリン酸は母乳にも含まれている成分で抗菌効果が高く、善玉コレステロールを増やす働きを持っています。ラウリン酸は燃焼と代謝が速いので、特に肥満の方の減量には効果的です。

♦ アボカド：一価不飽和脂肪（オリーブオイルに含まれる脂肪と同じ）は、中性脂肪のレベルを上げない良い脂質。肥満の方を対象にした実験では、ランチにアボカドを半分食べると、その後3～5時間の間は食欲が40%低下したと報告されています。

♦ ナッツ類：ナッツ類はビタミンやミネラルが豊富で、BMI値（肥満指数）を下げる食品としても知られています。アーモンド、クルミ、カシューナッツなどのナッツ類は、新陳代謝も促進します。小腹がすいた時などのおやつに良いでしょう。
♦ ダークチョコレート：抗酸化物質やフラボノイドを含むダークチョコレート。ココアバターに含まれるステアリン酸は消化の速度を遅くし、満腹感を持続させてくれます。小腹がすいた時、甘いものが欲しい時などには少量のダークチョコレートが満足を与えてくれるでしょう。

♦ サーモン：サーモンは腹持ちも良く、オメガ-3脂肪酸が豊富なので炎症を抑える効果もあります。サバやイワシ、マスなども減量におすすめの魚です。

減量をしたい方は、定期的な運動と共に、是非タンパク質や良い脂肪も沢山取り入れてみてくださいね。

摂取時間も重要

さて、タンパク質と良質の脂質の摂取に良いタイミングがあるのでしょうか？

タンパク質については、その目的に応じてタイミングが違うようでうす。筋肉をつけたい場合は、運動後2時間以内と言われていますが、減量を目的とする場合は、朝の摂取と言われています。その後の食欲を抑える事ができるのと同時に、代謝も上げてくれるからです。また食事と食事の合間にヨーグルトなどの軽いスナックとして食べるのも効果的だそうで、そうすると次の食事の摂取量が100カロリー程減ったという研究結果もあります。

良質の脂肪は朝ごはん、もしくは午前中に摂取するのが良いと言われています。午前中の摂取は、その日一日のうちにカロリーが燃えつきるの同時に、空腹感を抑えるのにも役立ちます。脂肪はエネルギー源で、カロリーもありますが、パンやご飯のような炭水化物のように、お腹いっぱい感にはなりません。しかし、高脂肪食は消化するのに2時間はかかるので、一日の終わりに摂取すると脂肪が体内に留まる可能性が高くなるのでお気をつけください。

まとめ

ダイエット、減量は多くの人が抱える望みであり、課題ですね。しかし、無理なダイエットは心にも体にも良い影響はありません。ヘルシーで無理のない減量を行いたいものです。タンパク質は代謝を促進し、体重の増減に関わるホルモンにも関わっています。また脂肪も食欲を抑えるなどの効果があります。痩せたい、早く痩せたいと焦らずに、楽しみながら美味しくて良質なタンパク質と脂肪を選んでみましょう。また良いタイミングで摂取し、定期的な運動、そして十分な睡眠を取れば、きっと減量にも成功し、より健康にもなるでしょう。

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2020年10月1日、情報を追記しました。

Reference: Am J Clin Nutr. 2014 May;99(5):1131-40. doi: 10.3945/ajcn.113.075978. Epub 2014 Mar 26. Nutr J. 2014 Sep 29;13:97. doi: 10.1186/1475-2891-13-97. J Int Soc Sports Nutr. 2017 Aug 29;14:33. doi: 10.1186/s12970-017-0189-4. eCollection 2017.